この表紙を見て、てっきりファンタジー作品なのか!と思い、書店の平台から手にった。
先に、娘が読み、娘がさっさと読み終わり、読み始めてみると、思い描いていた作品ではなく、カズオ・イシグロに裏切られたあ!と思った。
これまでも、カズオ・イシグロの本を読んだことはあるが、テクノロジーと人間模様をうまく組み合わせた世界を作りあげていく。今回もそんな一作である。
AIのアンドロイドが子供の成長を助けるという世界観の中で、AIのアンドロイドの思考回路を描写している部分などは、正にディープラーニングにおける畳み込み処理における認識過程である。
子供の成長過程にこんな助っ人がいると助かるだろうなあと思う。昔は、その存在は一緒に暮らしていた、祖父母であったり、ご近所さんであったのかも知れない。それと合わせて、子供を育てている世代に取ってみれば、子供の目線で世の中を見ることが出来る一冊になるのではなかいとも思えた。
忙しすぎる毎日で、違う立場の視点で物事を見ることが出来るこの1冊。すぐに読み切れると思うので、GWに読んでみるのはいかがだろうか。