前回の有機JAS、オーガニックについて考えるの最後に、各国のオーガニック食品のシェアの数値を示しました。その数値を見ていくと、どうも日本0.2%とが低く、続いてアメリカも0.6%と低いですよね。それに対して、欧州が全般的に数%と高い傾向が読み取れました。
では、予告通りそれらの数値を読み解いていきたいと思います。
でも、それには少し前のエントリーに戻ってもらう必要があります。国土がよく似た3カ国を比較してみるをご覧いただくと、国土面積がほぼ同じ日本、ドイツ、イタリアでは、ドイツ、イタリアの方が耕作面積が圧倒的に広く、さらに国民も少ないことを書いてきました。
簡単に書くと、1人当たりの農業生産面積が日本よりも、遙かに大きいということでした。
欧州でオーガニックが格段に広がってきた理由は初期段階においては3つ、現段階においては4つに増えていると考えています。
それらを、まずは歴史から紐解いていきたいと思います。
まず、参照させて頂きたいのが、このレポートです。オーガニック産業発展のための政策提言 ~EU・アメリカ・日本を比較して~ P.2に蔦谷さんのレポートに追記された年表がありますので、そちらをご覧ください。
食糧問題は私たちの身近ではあまり感じることはできないかもしれませんが、テレビやメディアでは時々世界的には食糧難であることが取り上げられています。過去をさかのぼると、食糧難を何とかしようと農薬、化学肥料、品種改良などによる「緑の革命」における農業による環境破壊の発生。
それも、上記にも記したように、国土の半分以上が耕作地で環境破壊が発生したとなると、国は手を打たざるを得ません。実際のところ、それが発端の一つだと言えます。だからこそ、日本でも過去「環境保全型農業」と言われていたんですね。
と、いうように、欧州では環境保全を進めることが、国の喫緊の課題となり、オーガニックを形作り1つの要素になっていたと考えています。