農業

ランドラッシュ見ました?

 一昨日、2010年2月11日(木) 午後10時00分~10時49分、NHK総合TVで放映された、「ランドラッシュ」という番組は、世界の農業を語る上で、実にまとまった内容の番組だった。「ランドラッシュ」とは、「ゴールドラッシュ」にかけて、土地を買いあさっている様を言い表しているのだという。

  

 ちょうど、農業経営者 読者の会で1年ぶりにお会いした、青森県の木村さんが出演するということだったので、家のレコーダーで録画して、数日経ってから見たのだが、やはり見てよかったと思えた。まだ2回ほどしかお会いしていない木村さんは、お会いしたときはいつも気さくに質問に答えていただき、気軽にお話しさせていただいていたのだが、TVでみる木村さんは、実に立派な日本を代表する農業経営者で、日本の農林水産省に意見を求められて呼ばれたり、ウクライナで大面積を耕作する為に出向いていったりと、フットワークの軽さもすばらしいものである。

 この番組の中でも気になったのであるが、「日本の農業を守る」ということがいわれているが、野菜や果物と、穀類の生産とは別で考えた方が良いと思っている。事実ほとんどの穀物は輸入にとよっており、自給率がほぼ100%の米に至っては、マーケティングの失敗のために過剰作物になっている有様である。ただ、お米についていえば、日本人全員が毎日1個おにぎりを食べるだけで、不足すると計算もされており、不作の時には米不足と騒がれるが、ここ数年あまり続けているのである。であれば、日本人が食べる他の作物に切り替えるなり、輸出ができる作物に切り替えるべきであろう。もちろん、補助金を付ける必要はある。しかし、ここで書いている補助金は、働かない人間に決して与えてはいけないものである。減反をして、補助金がもらえるようになるというのはもってのほかである。一生懸命、汗水垂らして働いたからこそ対価が得られるのである。それに矛盾して聞こえるかもしれないが、あまりにも安すぎる青果物が多いのも事実である。遠い産地から町に運ばれきて、この値段はあり得ないだろうと思うものが多い。それは、冷静に考えてみれば、誰にでも分かることである。

 何が書きたいのかというと、農家には効率的な経営ができる規模があるはずで、今はそれに満たない農家が多すぎると思う。それも、過去に縛られて身動きがとれないが為に、みんなが困っている。そして、食べ物に価値を見いだせていない、町の人が多いため、食べ物の価格が不当に下げられていることがある。

 両者、痛み分けではなく、納得いくように、正のスパイラルを描くことができると信じている。それには、コミュニケーションからはじめて、相互理解、そして信頼関係の構築が必要なんだろう。



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