見知らぬ番号が携帯に表示された。電話に出てみると、聞き覚えのある声。
私が仕事をしていた時は課に格下げされていたが、今は人員が少なくなっているが部に返り咲りざいた部署の部長になっている中途入社の彼からだ。
彼ともう一人のとは、仕事を辞めてからもたまに我を忘れるほどに飲みに行く仲であり、元上司部下や、年上年下の関係も無い。
東京にいるその彼からの電話に、人生は短く、年を重ねたことを改めて感じた。
電話の内容はお世話になった取引先の代表が本日亡くなられたという事であった。
思い返せば25年ほど前、現場で青果物を仕訳しているときに、何て品質の悪い野菜を出荷してくる生産者グループだと思い、仕入担当に「取引を切れ」と言っていた。そして本社に異動し、仕入担当の仕事に着くと、何とその生産者グループを担当することとなった。
ほぼ親父ほどの年の代表に、品質を向上させ売上を上げるために数多くの生意気な意見をし、その多くを聞いてもらい、価格交渉ではやりやったこともある。大変お世話になった方だ。
その生産者グループにはほぼ全家族の後継者が後を継ぎ、今も元気に青果物を出荷している。
その代表は開拓地の2代目で入植当時の話を聞くとかなり厳しい生活環境であり、日々がむしゃらに頑張り続けることで、生活環境が大きく変わってきたことを知った。そしてその時も日々さらに頑張り続けようとなさっていた。その時に話をさせて頂いたのは、計画を立てて頑張らないと、手が追いつかなくなって、さらに頑張らないと行けなくなって、今その悪循環に入っています。どこかでその循環を断ち切らないとと。
今頃、空の上で旨そうにたばこを吸っているのかなあ。
大変お世話になりました。ありがとうございました。ご冥福をお祈りします。