なんのこっちゃと思ったが、4%/1000=4/1,000,000で4を百万で割ったということだろう。
で、数字的なことが分かったところで、これが一体何なのか、そこが重要なんです。
世界的に何処まで知られているのか、日本国内で何処まで知られているのか分からないのですが、私はつい最近まで全く知りませんでした。
それも、この素晴らしい取組に、日本が署名しているにもかかわらず。ま、他にも日本が署名している素晴らしい取組があっても、知らないものが色々とあると思いますが。自分が働いていた業界関係だけに驚きでした。
内容は今を去ること5年前。。2015年にパリで行われた気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の際にフランス政府主導で始められた、「もしも全世界の土壌中に存在する炭素の量を毎年4/1000ずつ増やすことができたら、大気CO2の増加量をゼロに抑えることができる」という計算に基づき、土壌炭素を増やす活動を推し進めようとする国際的な取り組みなのです。
南都馬鹿げたアイデアと思われるかも知れませんが、フランス政府としてこのアイデアを提案した農家は実際にこの取組を行い、生産活動をなさっています。
日本国内について考えてみると、個人的に好きだったというか、今でも田舎に引きこもって家庭菜園をするならこの方法と思っているできるだけ手をかけないで栽培する方法が、まさにこの取組に相当すると感じました。
日本でこの手の栽培で有名な方と言えば、「藁一本の革命」の著者である福岡正信さん。(ご存命の時にお会いしたいと思い、伺いましたがお会いすることは適いませんでした。)
奈良に住んでいたときに「赤目自然農塾」という勉強会にも参加させて頂いた、川口由一さん。
著書「ニンジンから宇宙へ」を拝読させて頂き、講演を拝聴させて頂いた、赤峰勝人さん。
上記の方々を筆頭に、日本各地には自然と調和しながら農業生産をなさっている方々がいらっしゃる。
一般的に自然農法と言われる栽培を行い、土を耕さず、肥料を施さない。
自分自身でも同じ様に栽培をしてみたが、これが大変だった。お借りした農地は数年は何もしていない農地で、雑草がみっしりと生えていた。雑草を刈り取り、畝らしき物を立て、そこに種を蒔いたり、苗を植えたりしたが、周りの雑草にあっという間に負けてろくに収穫に至らないかった。
そんな中、とうもろこしに自分で発酵させたぼかし肥を与えたときの、とうもろこしの生育が良かったことと、美味しかったことは忘れられない。
そういえば、収穫が終了しそうなときに、ミニトマトも美味しかったなあ。
一般的に自然農と言われる栽培方法は、畑を耕さないために作物の根が土の中に残ったままになる。よって、一番上に記した4/1000以上の炭素を土の中に保存することが出来る。実際にその様な理論の栽培方法として「炭素循環農法」というものが合ったと思ったのだが、現時点で様々な図書館データベース、ネットショット書店を探しても、全く見つからない。
実際、それを実行している日系人が、ブラジルにいらっしゃる。
で、日本国内の自然農法的な栽培で育てられた作物の味は、食べれば分かると思っている。どこかというか、あっさりしているのだ。後味がない、お米で言うとササニシキ、アサヒといった感じだろうか。
よって、万人受けするとは思えなかった。自信で栽培していた作物も、肥料を与えていなかったときは、あっさりしていた。
それが、上記の川口由一さんのところで学び、徳島で生産を行っている沖津 一陽さん宅に訪問させて頂く事があった。ご対応いただいたのは奥様で、お忙しい中自宅そばの畑をご案内頂いた。
訪問させて頂いたのは、かれこれ20年近く前で、就農なさってまだ数年くらいだったと思う。そんな中、自然農でありながら、作物が一般的な栽培に見えたので、何が違うのだろうと栽培方法について、色々とお伺いした。
すると、凄く合点いく内容があった。
通常語られている自然農に、科学的裏付けのある工夫が成されていた。
4/1000を実行するに当たって、何も自然農を行わなければならないということではないと考える。
果樹の下に生える草は根こそぎ引っこ抜くことはしないし、土の上に生えている部分を刈り取るだけである。また、土の水はけを良くするためにはライ麦など根が深く張る作物を栽培すると、それだけ多くの窒素が土の中に残ることになる。
もしかしたら、農家をまとめることでCO2削減として金融商品として販売出来るのかもしれない。
日本では作物の美しさを求める為に、雑草を病み嫌う節があるが、生産効率と出荷率の割合から考えて、雑草をどの段階で押さえておけば良いかと考えることも有りでは無いかと思う。
何でも90%を求めるとそこそこのコストで出来るが、100%を求めようとすると急に生産、管理コストが上がることになる。
最後に1冊、私もまだ読んでいる途中であるが、今後の経済ではなく地球環境の行く末を科学者は地道に考えている本を紹介したい。