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食肉のことを考えてみる(2)

前回の書き込みは、家畜の廃棄物について驚くべき数量になることを書いて締めくくりましたが、今回は家畜の餌について考えてみたいと思います。
餌のことを書くとなると、成長されるときのカロリーベースのこと、実際成長させるに当たってどれだけの濃厚飼料が必要なのかという数字もいくつもあるので、今回は一般的にメジャーとなっている数字で考えていきたいと思います。
使うのは以下の数字、前回の日本における食肉の消費量、1kgの肉を生産するに当たっての必要な濃厚飼料量、国内の飼料生産量の平均。
ネットを調べて頂くと、それぞれ1kgの肉を生産するのに当たり、牛11kg、豚7kg、鶏4となっています。
http://www.maff.go.jp/tokai/kikaku/tokaijikyu/img/image42.jpg
では、日本における濃厚飼料の生産性については、北海道で取り組み始め、東北までその動きが広がっている以下の取り組みの資料P.33
4.トウモロコシ子実の生産技術 3)補足:道央における子実トウモロコシ生産の動向
から見ると、約700kg/反という数字を利用します。
http://www.maff.go.jp/kanto/seisan/tikusan/kihon_zyoho/pdf/02ktyou.pdf

消費量
(万t)
必要な餌量
(k/肉kg)
必要飼料量
(万t)
子実コーン反収
(kg/反)
必要面積
(万ha)
牛肉 35.4 11 389.4 700 56
豚肉 89.4 7 625.8 700 89
鶏肉 139.7 4 558.8 700 80

合計すると、濃厚飼料作物の栽培面積は、225万haとなり、現在の農耕地とされている452万haの約半分の面積の開拓が必要となります。それも、効率が良く栽培ができる広くて、平らなところと言うところに限られてきます。濃厚飼料を手で収穫して、脱穀するわけにはいかないので、大型機で生産をすることが必要だからです。
現在の食肉、それも国内製造分だけを賄おうとすると、現在の生産方法では国内の耕作面積の約半分の耕地を増やすことが必要であり、さらに輸入されている食肉も国内飼料で賄おうとすると、数字で示すまでもなく、感覚的にもう無理と言うことが分かりました。
次回も、もう少し食肉について書きたいと思います。

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