最近、この季節になると野菜の値段が上がってくる。
そこで出てくるのがこの価格。298円。レタス、キャベツ1個の価格だ。都心では500円のレタスもあるそうだが、私の住んでいる地域ではそこまでの価格にはならない。ここで商流を遡ってみよう。
店頭に置かれてある青果物は、一般的に青果市場の仲卸から供給される。その仲卸へは青果市場が、青果市場へは農協などが供給することになっている。
今回見ていきたいのは、青果市場での青果物の取引価格。仲卸が購入している価格である。今回は2018年1月10日の大田市場で見ていこう。
一覧の販売方法を見てほしい、せり・入札と書かれてあるのは、よくテレビなど目見る競りの価格である。もう一つ、相対とあるのは事前に契約している価格のことである。
キャベツを見てみると、せり・入札では、10kgが2,160〜4,644円。玉数が6〜10玉と考えると。
極端な話、1個あたり216〜774円になります。
最安値の216円に、仲卸の手数料として10%、配送料として5%、販売店の手数料として20%を乗せたとしましょう。計算式はざっくり以下の通り、
216円 × 1.1 × 1.05 × 1.2 = 299.4円
774円 × 1.1 × 1.05 × 1.2 = 1,072.8円
うーん、とてもとても、販売店で298円で販売なんて出来ないと思いませんか。
ここで見て欲しいのが、せり・入札と、相対のの卸売数量です。前者が910に対して、後者が199,382と、圧倒的な差があります。その相対の中で大田市場の近場の千葉県のメジャー価格は2,268円ですから、
227円 × 1.1 × 1.05 × 1.2 = 314円
となります。実際は、もっと手数料を頂かないと商売が継続できないので、正当にやっていればこの価格には収まりません。
となると、何故キャベツ1玉が298円で販売できるんでしょうか?
市 況 | 総入荷量は、前日比46%の減少。市況は弱保合。 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
品名 | 卸売数量計 | 販売方法 | 卸売数量 | 品種 | 産地 | 単位 | 高値(円) | 中値(円) | 安値(円) |
キャベツ | 200,292 | せり・入札 | 910 | - | 愛知 | 10 | 4,644 | - | - |
- | 千葉 | 10 | 2,160 | - | - | ||||
- | 各地 | 10 | 4,104 | - | - | ||||
相対 | 199,382 | - | 愛知 | 10 | 4,860 | 3,672 | 1,836 | ||
- | 千葉 | 10 | 4,104 | 2,268 | 1,080 | ||||
- | 各地 | 10 | 4,320 | 2,808 | 1,296 | ||||
レタス | 65,573 | せり・入札 | 17,370 | - | 静岡 | 10 | 9,180 | - | - |
- | 兵庫 | 10 | - | - | - | ||||
- | 各地 | 10 | 1,620 | - | - | ||||
相対 | 45,203 | - | 静岡 | 10 | 9,180 | 6,264 | 1,296 | ||
- | 兵庫 | 10 | 8,100 | 6,912 | 5,400 | ||||
- | 各地 | 10 | 9,504 | 3,672 | 1,404 | ||||
第三者等 | 3,000 | - | 静岡 | 10 | - | - | - | ||
- | 兵庫 | 10 | - | - | - | ||||
- | 各地 | 10 | 1,728 | - | - |
2018年1月10日大田市場
http://www.shijou-nippo.metro.tokyo.jp/SN/201801/20180110/Sei/SN_Sei_Oota_index.html